「102歳の嫉妬」を読む

副題は、「介護の日々を笑って暮らす8つのヒント」とある「102歳の嫉妬」という本を手にとったのは、図書館でした。
折り目もなく、読まれた形跡はなかったですね。
タイトルにまず、ハッとしました。何だろう?と興味を持ちました。
おりしも、敬老の日が近かったせいもあって、日本には100歳以上の高齢者が、3万6276人となり、過去最多を更新したと新聞などの報道にありました。
100歳以上の人が増えるということは、とても嬉しいことなのでしょうが、その中味を考えてしまうのは、私だけではないと思います。
ねたきりの人もかなり多いのじゃないかと思うからです。

本の帯には、「命に寄り添う8つの介護ドキュメント 」と書いてある通り、8つの様々な老人介護に携わる担い手がルポされています。

第一章が「102歳の嫉妬。血縁なき娘の雑貨屋的介護」
75歳の娘さんが、長男夫婦や近所の人、デイケア施設の力を借りながらの在宅介護ルポです。
家族が、家族を看取るのは、ごく自然だと受け入れて介護をされている日常に、なんだか忘れていたものを思い出させてもらいました。
身の回りでは、施設があたりまえになりつつあります。そうせざるを得ない事情は、よくわかるけれども、どうしても違和感、申し訳なさの思いがあるからです。

その他の章では、結婚後、両親の介護をされた娘さん(マンガ家兼業)の話、介護のしかたについて、「古武術介護」を開発された岡田慎一郎さんのこと、訪問歯科医師の話、アニマルセラピーの保育士さんの話、訪問理美容をされている話、など、今まで介護のなかでは、あまり注目がいかなかった分野での人たちの活躍の紹介は、介護の考え方の深さとともに幅の広さを知りました。

そして、富山型デイケアハウス 「にぎやか」の坂井由佳子さんの話、NPO法人「ふらっと」代表の宮袋季美さんの話には、過激な福祉サービス代表者という言い方でのルポですが、お二人の行動力と生き方に驚きとともにとても勇気付けられました。
実は、坂井さんの施設の採用基準が「学歴あり」より「理由あり」だと書かれていたことが、ずっと心に残っています。私よりずっと若い彼女が、「資格が仕事するのじゃない、人と人とのしごとだから・・・」と話されています。

あとがきに「世の中捨てたもんじゃない」とありますが、共感できました。
介護は、暮らしそのものなのですから、人に対して素直に思う通りに接することなんですね。

 

102歳の嫉妬―介護の日々を笑って暮らす8つのヒント
鎌田 孝志
大洋図書
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おすすめ度の平均: 4.5
5 読みやすく、自然と心にも入って来る
4 介護・・・命に添うということ

 

 

 

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