「男の介護」罪と罰ー大箸幸弘著を読んで
老老介護と同様に、ますます増える可能性があるのが、この「男の介護」だと思います。
「母一人子一人ゆえの愛憎介護の記録」は、胸が痛くなってしまうほど、たいへんな介護記録でした。著者が、「母に対する懺悔の記録」と書いてます。母に対する愛情がとても強いだけに、現実に母親の認知症が進んでいき、様々なことが起きても、受容できないつらさ、自己嫌悪がよくわかります。
介護のプロである病院のケースワーカーや、ホームヘルパー、訪問看護などのサービスを利用して、なんとか、在宅介護を続けようとがんばられました。ヘルパーさんに連絡ノートをお願いされ、それを読むと、ヘルパーさんたちのプロの介護がよくわかります。著者は、当時は納得いかないことがあったようですが、おかあさんの人格を大切に考えて介護している様子で、とても行き届いていたように感じます。著者に対しても、とても協力的で、励まされていた様子が印象に残りました。
母と息子として、対してしまうとお互いにとても、窮屈というか感情が先にでてしまい、なかなか、冷静になれないものです。第三者で介護のプロに援助をお願いするほうが、お互いにとって、いいことなのです。
「男の介護」は、事実に基いて、真摯に介護の現実が、書かれていて、読んだあと、切ない上に、気分が滅入ってしまいそうになります。そこで、思うのは、やはり、高齢者の介護は家族だけで、やろうとしないで、様々な人たちに、お世話になって少しでも、良い方法に委ねることが、大切だということです。
親を介護するにしても、体力的にしんどかったりしますが、孫世代の力をおおいに借りましょう。私は、若い頃、祖母の介護を手伝いました。もともと、老人ホームの寮母をしていたのですが、そのころの老人は、祖父母の世代だったわけです。母の介護に直面して、改めて、祖母と孫の方が、感情的にお互いに楽だったような気がします。
東洋出版 (1999/12)
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